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芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.151

当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。

 

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.151

 

 2022年11月10日、岩手県の美術界を牽引してきた大宮政郎さんが永眠されました。92歳でした。

 大宮さんは奥州市水沢出身。岩手美術研究所を経て、県立美術工芸学校に入学。深沢省三、紅子夫妻らの指導を受けています。その当時のことを語れる生き証人だった大宮さんから私は公にできない「秘話」を伺ったことがありますが、何よりもその記憶力に圧倒されました。

 もちろん、その旺盛な創作活動にもただただ圧倒されっぱなしでした。ことに晩年は「目がほとんど見えない」とおっしゃりながらも「鉛筆を握って紙に向かうと見えるんだよ」とドローイングの制作に没頭なさっていました。

 当館では2006年に『人動説アートの世界』、2019年に『LAST DRAWINGS トワイライトゾーン&聖ぽぉーと霊徒』という二つの個展を開催しています。2019年の個展は「ラスト」と銘打っていましたが、毎日のように新作が生まれているのを目の当たりにして「続ラスト~展を開かないとならないね」、「続々ラスト~展も必要かもしれませんよ」などと笑いあったものです。

 大宮さんは十代のころから頭角をあらわし、岩手の美術界をもっと発展させたいと活動し、常にリーダー役を(作品の上でも)果たしてきました。今日、宮城県の美術関係者からしばしば「岩手のほうが活発だ」と言われるのは、そんな大宮さんのおかげと言っていいでしょう。

 亡くなられるまで現役作家だった大宮さんは、今、ようやく一息ついていらっしゃることと思います。安らかにお休みください。合掌

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