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芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.148

当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。

 

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.148

 

 今春、『越後妻有 大地の芸術祭 2022』を開催中の新潟県十日町市・越後妻有里山現代美術館MonETに展示されていた現代美術家クワクボリョウタ氏の《 LOST#6 》が、修学旅行中の中学生によって破壊されるという出来事がありました。作品と鑑賞者の間に設けられた柵を越えて踏み荒らしたといいますから、悪戯だったとしても度が過ぎています。生徒らも今は反省しているそうですが、このように故意ではなくても、間違って作品に触れてしまって壊したりすることがごくまれにあります。そういう事態を防ぐために、作品と鑑賞者の距離をとるための白線を床に引いたり、柵を設けたり、あるいは作品そのものをガラスケースに収める場合もあります。しかし、このような対策を講じれば講じるほど作品との間によぶんな距離が生じ、鑑賞の妨げになってしまうのは否めません。

 当館の場合、〈花とアートの森〉に彫刻が展示されていますので頭の痛いところですが、これまでに悪戯などの被害はなく、来館者の高いマナー意識に改めて感謝するしだいです。

 ただ、石神山頂の三沢厚彦《 Bird 2020-01B 》(ミミズクの像です)に花の冠がかぶせられていたことがありました。お気持ちはわからないでもないのですが、これは路傍のお地蔵さんではなく、〈花とアートの森〉という野外美術館に展示されている彫刻作品だということを理解していただきたいと思います。

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