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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.112

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.112」

 

あけましておめでとうございます。

 

今年はエルニーニョ現象の影響による暖冬という予報通り、例年に比べて雪は少ないものの、私が通っているスキー場はかろうじて12月中旬にオープンすることができました。

シーズン券を買ったのでさっそく日参したいと思っていましたが、スケジュール調整がうまくいかず、予定の半分も行ってません。

これから挽回するつもりです。

 

スキーはリフト(あるいはゴンドラ)で上がって、斜面を滑り下りるだけなのに健康にいいのです。

滑走する際、人間の身体の中で最も大きなハムストリング(太腿を構成する大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)をフルに使うため、まず心肺機能が向上します。

血糖値を下げ、善玉コレステロールが増加して血液の流れが良くなり、動脈硬化・心筋梗塞などの生活習慣病の予防になることが知られています。

同じハムストリングを使う自転車が健康増進に役立つのは同じ理屈です。

また、スキー場のある山の環境が精神的にいい効果を与えるようです。

 

ゲレンデに立つと私は何とも言えない懐かしさを覚えます。

岩山スキー場や竜ヶ森スキー場でひどく寒い思いをしながらスキーをした子どものころを思いだすのです。

雪とあまり縁のない名古屋生まれのスキー仲間は、雪への憧れがあるから、ゲレンデに立つたびに新鮮な気持ちになると言います。

 

スキー場は山の樹木を伐採して整地した、いわば自然破壊の産物です。

一方、雪と重力という自然を利用したスポーツでもあります。

いずれにしても、山と雪のそれぞれに感謝しつつ、北国ならではのウィンタースポーツをこれからも楽しんでいきたいと思っています。

 

ところで、昨年、岩手町立石神の丘美術館は第4回「恋人の聖地観光交流大賞」(NPO法人地域活性化支援センター主催)の観光交流賞審査員賞を受賞し、これまで私たちが積み重ねてきた取り組みが全国的に評価されました。

その「恋人の聖地」を含む野外展示場は、来年(初夏)のリニューアルオープンに向けて工事中のため閉鎖休館中です。

ご不便をおかけしますが、さらに魅力ある空間にしたいと思っていますので、よろしくどうぞお願いします。

なお、恒例のいわてまちイルミネーションは今年も実施しますので、ご期待ください(詳細は改めて告知いたします)。

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