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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.102

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.102」

 

先月はジャズとの出会いについて、私も懐かしい思いに浸りながら振り返りました。

今月はジャズという音楽そのものについて簡単に書いてみたいと思います。

 

ジャズのルーツは…などということは書きません。

ジャズのルーツを知るよりも、まずジャズの魅力を知ることのほうが先だからです。

ジャズは即興音楽です。

ある一定の決め事にさえ従えば、あとはそれぞれのミュージシャンの裁量、技術、感覚にまかされ、自由に演奏されます(ちなみに、ジャズの歴史はその自由度が拡大していく変化の歴史でもあるのです)。

 

そういう意味で、規則にがんじがらめのクラシック音楽とは対極に位置する音楽といえるかもしれません(なにしろ、クラシック音楽は楽譜通りに演奏しなければ成立しませんが、ジャズにはそんな決まりもありません)。

ところが、クラシックとまったく関係がないかというと、決してそうではありません。

ジャズは地球上のあらゆる音楽を取り入れて発展してきたのです。

 

いつだったか、ジャズトランペッターの岡崎好郎さんのリハーサルを聴く機会があり、そのときチャーリー・パーカー(モダンジャズの開祖というべきサックス奏者の偉人)とおぼしきフレーズが聴こえてきたので「おっ、パーカーですか」と訊いたら、「そう思うでしょう。ところがこれが実はバッハなんですよ」ということがありました。

 

さて、これからジャズを聴いてみようと思っている方は、ジャズ入門書などは買わず、その分、CDを一枚でも多く買って、闇雲に聴きまくってください。

間違っても、ジャズの歴史を初期からなぞるような聴き方をしてはいけません。

まず自分好みのジャズと出会うことが肝要です。

手当たり次第に聴いているうちに、自分にフィットするジャズが見つかるでしょう。

好きな楽器にしぼって聴いてみるのもいいでしょう。

私はジャズをギターから聴き始めましたが、今はトランペットが好きです。

 

一番のお勧めは生演奏(ライブ)を聴くことです。

盛岡のすぺいん倶楽部やジョニーでライブを体験してください。

また、岩手県民会館で毎年開催している『いわてJAZZ』で国内外の一流ジャズメンの演奏を聴くこともお勧めです。

ジャズのことが何にもわからなくても、生身の人間が目の前で演奏するライブ演奏はCD100枚分に匹敵する情報と刺激を与えてくれます(これは何もジャズに限ったことではないのですが)。

 

石神の丘美術館でもジャズ・ライブをいつか実現したいと考えています。

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