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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.80

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.80」

今年の大型連休は残念ながら天候に恵まれませんでした。
名古屋から毎年やってくるオートバイ仲間と八幡平界隈を走り回った日は雪がちらつくありさまで(その日、八幡平アスピーテラインは閉鎖)、
5月の雪には私もびっくりしましたが、逆に遠来のオートバイ仲間たちは大喜びでした。
思いがけず、いいプレゼントになりました。

連休中、石神の丘美術館で開催中の『近代洋画展』にも町内外から多くの方にお越しいただきました。
日本の近代美術史にその名を残す画家の作品が一堂に介している本展をご覧になった方々からは、「巨匠の作品がこんなに揃っているなんて」という驚きの声や、「これだけの顔ぶれの作品を見られることはめったにない」といった声をたくさんいただいています。

展示作品は公益社団法人糖業協会が長年にわたって蒐集してきたコレクションです。
美術品は個人や美術館以外にも民間企業が蒐集していて、これを企業コレクションと呼んでいます。
有名なものでは、化粧品メーカーのポーラが印象派を中心に素晴らしいコレクションを持っていて、箱根のポーラ美術館で公開されています。

糖業協会コレクションを管理していた円鳥洞画廊(東京都有楽町)の社長が実は盛岡で少年時代を過ごした方で、本展の実現に向けて尽力してくださいましたが、残念ながら今年初めに逝去されました。
この場を借りてご冥福をお祈りします。

糖業協会の前身は、1909(明治42)年に台湾の製糖業者による業界団体として発足した台湾糖業連合会です。
台湾に近代的な製糖業をひろめたのが岩手出身の新渡戸稲造でした。
新渡戸は台湾では「台湾砂糖の父」と呼ばれていますが、日本ではあまりそのことが知られていないようです。
糖業協会のコレクションが今あるのも、新渡戸稲造のおかげと言っていいでしょう。円鳥洞画廊との縁とあわせて、何だか見えない「赤い糸」で結ばれていたような気がしてなりません。

近代美術の巨匠の名品に出会える、岩手では数少ない機会です。
ぜひ足をお運びください。

 

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