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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.71

美術館で毎月発行している小さな情報誌

「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、

芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。



なお、過去のエッセイをご覧になりたい場合は、

「美術館通信」コーナーよりpdf形式でご覧ください。





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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ

「石神の丘から vol.71」






『岩手町町制施行60周年記念 Hokkaider 小原 信好 写真展 ?ツーリング写真家 クマさんと巡る、北海道・北東北 絶景の旅?』が好評です。
主に北海道と北東北の風景写真からなる写真展です。
この前は古山拓さんの風景画をご覧いただきましたから、絵に続いて今度は写真による風景ということになります。

しばしば私たちは「絵になる風景」という言い方をします。
写真の場合でも「写真になる風景」があります。
おもしろいのは、「絵になる風景」と「写真になる風景」は必ずしも一致しません。
つまり、「絵画向きの風景」と「写真向きの風景」があるようなのです。
このあたりも頭の片隅に入れつつご覧いただくと、いっそう深く小原ワールドに入っていけることと思います。

小原さんの写真の大きな特徴は、旅する人の視点で撮られていることです。
ですから、特別な機材も特殊な技術も使いません。
たとえば、北海道を旅するとき、私たちも小原さんの写真と同じ風景を見ているのです。
ところが、小原さんの腕にかかると、同じ風景がまったく別の(とても素敵な)場所になってしまうのです。

もうひとつ、オートバイ乗りの視点で撮られていることも最大の特徴です。
小原さんの写真を目にしたオートバイ乗りは旅心を刺激されないではいられません。
また、小原さんの写真によって、ツーリングの思い出がよみがえることも多いです。
だから、小原さんの風景写真は日本中のオートバイ乗りに愛されているのです。

ここでお急ぎでお断りしておかなければならないことがあります。
小原さんの写真は決してオートバイ乗り向けに限定されたものではありません。

オートバイ乗りの視点で切り取られた風景写真は、風景写真の専門家が撮ったそれとは明らかに異なります。
きっと多くの方に新鮮な驚きと爽やかな印象を与えることでしょう。

話は変わりますが、岩手町の隠れた特産品にホワイトアスパラガスがあります。
とれたてのホワイトアスパラガスを一般家庭で食べている地域が果たして日本にどれくらいあるでしょうか。
ごくごくわずかだと思います。

そのホワイトアスパラガスを今年は食べずじまいでした。
というのも、そろそろ出てくるころかなと思ったときにはもう収穫時期が過ぎていたのです。
なんでも、今年は
10日以上早かったとか。

石神の丘のラベンダーも例年より10日以上早く開花しました。
また、いつもなら場所によって開花時期がずれ、その分、長く楽しめるのですが、今年はいっきに咲いてご来場者の目(と鼻)を楽しませてくれました。

ここ数年、毎年のように「今年の天気はおかしい」という声を聞きます。
野菜の収穫に大きな影響が及ばないことを祈るばかりです。

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