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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.60

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

なお、過去のエッセイをご覧になりたい場合は、
「美術館通信」コーナーよりpdf形式でご覧ください。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.60」

岩手町立石神の丘美術館の芸術監督に就任して、6度目の夏を迎えています。

私は30代半ばから40代半ばにかけて(ということは川崎市宮前区に住んでいた20年前から10年前にかけて)、日本各地に残るブナ林をオートバイで巡る旅をしたり、首都圏近郊の里山に登ったり、住まいからクルマで20分ほどの生田緑地の自然観察会に参加するなど、自然に触れることに熱中しました。
野鳥と樹木の名前はそのころに覚えたものです(といっても、どちらも10数種類しか覚えられませんでしたが)。
あのころは、あまりにも自然と乖離した都会の生活に飽き飽きしていたのだと思います。

しかし、同時にそのころの私は月に1、2回は都心の室内楽専門ホールに行き、クラシックの生演奏を熱心に聴き漁り、美術館にも週に一回は足を運んでいました。

つまり、天(あるいは神)がつくったものと人間がつくったもの(美術や音楽)の両方を貪欲に求めていたのです。

この10年あまりを振り返ると、年に2、3度の登山以外に自然と積極的に触れ合う機会はありません。
盛岡という自然に恵まれた地で暮らしているから、あえて野山に出かける必要がなくなったのかもしれません。

石神の丘美術館の芸術監督に就任したとき、ここを天(神)がつくったもの(自然)と人間がつくったもの(美術、音楽)が融け合った場にしたいと思いました。
多彩な企画展はもちろんのこと、野鳥観察会やコンサートなどの実施を通して、この5年で少しずつその思いを具体化してきました。

これはもちろん私一人の力ではなく、たくさんの方のお力添えがあってのことです。
改めて感謝したいと思います。

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