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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.58

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

なお、過去のエッセイをご覧になりたい場合は、
「美術館通信」コーナーよりpdf形式でご覧ください。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.58」

石神の丘美術館ではさまざまなワークショップや講座に加えて、石神の丘美術館友の会との共催でコンサートや野鳥観察会なども開催しています。

426日に今年度一回目の野鳥観察会が、日本野鳥の会の中村茂さんと柴田俊夫さんを講師にお招きして行われ、ツグミ、トラツグミ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ゴジュウカラ(声のみ)、ヒガラ、ウグイス(声のみ)、メジロ、カワラヒワ、アカゲラ(声のみ)、アオゲラ(声のみ)、エゾムシクイ(声のみ)、アカハラ、エナガ、シメ、マミチャジナイ、ハシブトガラス、そして何とオオルリをゆっくり観察することができました。

およそ1時間半(万歩計を付けていた方によると、およそ5000歩)の散策で、これだけの種類の野鳥と出会える場所はそう多くありません。
私は念願のオオルリと会えたので感激もひとしおです。
石神の丘で声だけは前から耳にしたことがあるのですが、ようやく観察できました(残念ながら写真は撮れませんでしたが、目にしっかりと焼きついています)。

オオルリはその名の通り、瑠璃色(鮮やかな青)の小鳥で、鳴き声が美しいことでも知られています。
人気が高いため、違法に捕獲されて減少し、各地で絶滅危惧種に指定されています。

石神の丘にはシラネアオイの小さな群落もあり、ちょうど紫色の花をたくさん咲かせていました。
これも心ない愚か者による盗掘が絶たないため、各地で絶滅危惧種に指定されています。

お金には替えられない貴重なシラネアオイやオオルリに、偶然とはいえ、ごく短時間の間に私たちは出会うことができました。

しかし、これらはその価値を知る人にとってのみ大切なのでしょうか。

実はそうではありません。
オオルリが住めない環境やシラネアオイが自生できない環境は、人間にとっても住みにくい環境だといえるでしょう。

つまり、自然を守るということは、結局のところ、私たち自身に帰ってくることなのです。
 

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