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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.54

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

なお、過去のエッセイをご覧になりたい場合は、
「美術館通信」コーナーよりpdf形式でご覧ください。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.54」

冬至を過ぎ、これからは夏に向かって日が長くなっていきます。
とはいえ、本格的な冬を迎えるのはこれからです。

この時期、美術館の屋外展示場を訪れる人はとても少なくなります。
雪のため足元が悪くなりますし、日が短いのでせいぜい3時過ぎくらいまでしか散策ができないからです。

ところが、逆にこの時期を待っていたという方々もいらっしゃいます。
その方たちは、雪の上に残された動物の足跡を観察に来ているのです。

石神の丘美術館では「友の会」の主催による観鳥会(野鳥観察会)を、毎年、春と秋の2回にわたっておこなっています。
毎回、
30種類を超える野鳥を確認していますが、石神の丘の自然環境は野鳥だけではなく、ほかの動物たちにも好まれているようです。
これまでにカモシカ、アナグマ、キツネ、ウサギ、それに私は苦手なのですが、数種類のヘビが観察されています(だいぶ前にはツキノワグマも目撃されているそうです)。
それらを実際に見られるチャンスはなかなかありません。
私もアナグマにしか出会っていないのですが、足跡ならお目にかかっています。

動物が歩いた跡や食事をした跡、糞などを観察することで、それぞれの動物の特性がわかります。
これをアニマル・トラッキングというそうです。
冬はそれらを見つけやすいので、アニマル・トラッキングには絶好の季節となります。

私もカメラを手に、石神の丘を歩いてみました。
いくつかの動物の足跡を見つけることができました。
動物たちは雪が降った直後に活動し、その後は外出を控えるのか、雪の上の足跡はいずれも古いものばかりでした。

点在する彫刻たちとの対話をしつつ、自然との交感も楽しめるのが石神の丘の四季です。
真冬の石神の丘にもぜひ足を運んでみてください。
長靴やスノーシュー(西洋カンジキ)を無料でお貸ししています(数が少ないので団体の対応はできません)。

ちなみに、晩秋にはリスが松ぼっくりを食べて残した芯(その姿が似ているのでエビフライと呼ばれています)を見つけることができます。
石神の丘美術館屋外展示場の入館料は
100円です。

過去の記事

開館時間・休館日

◆開館時間
9時~17時
(入館は16時30分まで)
◆休館日
・毎週月曜日(月曜日が祝日の場合その翌日/臨時開館の場合有り)
・年末年始(12/29~1/3)

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