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芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.183

当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。

 

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.183

 

 岩手町といえばキャベツ。そのキャベツのPRに一役も二役も買っているのが、ご存じキャベツマンです。

 初めてキャベツマンを見たとき、すぐにグリーンマンを連想しました。グリーンマンはキリスト教が誕生する遥か以前の古代オリエント・エジプトの地母神(「母なる大地」の象徴)信仰に端を発し、ヨーロッパ全域にひろまって今も生き続けています(キリスト教は古い信仰を「異教」として排除したのですが、本来は異教のものだったサンタクロースやグリーンマンなどを取り込むことで発展してきたことが知られています)。

 グリーンマンは半分は人間、半分は植物という姿で表されます。これは教会や聖堂の装飾に見られますし、絵画にも描かれてきました。しかし、グリーンマンが大きく脚光を浴びるようになったのは公害や自然破壊などの諸問題が表出し、自然との共存が強く意識されるようになった20世紀のことです。蛇足ながら、共存とは自然が滅びれば人間が滅びるという意味を含んでいることも忘れてはなりません。

 キャベツマンもキャベツのPRにとどまらず、自然との共存の象徴として、自然が豊かな岩手町から発信していると言っていいでしょう。

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