当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.182
岩手県立美術館で開催中(10月19日まで)のコレクション展で、新収蔵作品展を拝見してきました。昨春に急逝された彫刻家・舟越桂さんが生前に決して手離そうとしなかった作品が並んでいて、とても見応えがありました。コレクション展が開催されている2階にはすでに萬鉄五郎、松本竣介、舟越保武の常設フロアがありますが、ぜひ舟越桂のフロアも整備してほしいものです。
石神の丘美術館では『黒沼 令 彫刻展 ヒトノカタチニミエルモノ』を開催中です。黒沼さんの圧倒的な存在感を持つ作品たちと向き合ったとき、私は何か心臓を鷲掴みにされたような気持ちになりました。
彫刻は観るものの心にダイレクトに訴える力を秘めているようです。つまり、絵画を観る場合、意識すると意識しないに関わらず、いったんテキスト化(文章化)して理解しようとしまいがちです。彫刻の場合はその過程を経ず、直感的に受け入れるのです。二つの彫刻展を通して、そのことを強く実感したしだいです。
芸術の秋、美術館に足を運んで実際に彫刻をご覧になってみてください。