当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.179
ちょうど10年前の夏、石神の丘美術館では『岩手町町制施行60周年記念 Hokkaider 小原 信好 写真展 ~ツーリング写真家 クマさんと巡る、北海道・北東北 絶景の旅~』(2015年6月13日~7月26日)を開催し、写真展としては過去最高の入館者を記録し、その記録は今も破られていません。
この写真展には文字通り日本各地からオートバイ・ライダーがやってきました。日本全国を駆けまわり、全国にツーリングの仲間がいる小原さんの存在感が際立つ企画展でした。
その翌年の夏に開催した『斎藤純と旅する ぶらり北緯40°』(2016年8月6日~9月11日)は、岩手県普代村から秋田県男鹿市まで北緯40度上の12の市町村を私が小原さんとともにオートバイで旅をした記録を視覚化した展示で、ほかに例のないユニークな企画展でした。このときの小原さんによる写真もまた北東北の魅力を存分に伝えるものでした。
このように当館と縁の深い小原信好さんが4月に脳出血のため急逝されました。59歳という若すぎる死に心が痛みますが、小原さんが残した素晴らしい写真はこれからも人々に「旅の感動」を与えつづけることでしょう。
謹んで哀悼の意を表します。