当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純のショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.127
今年はベートーヴェンの生誕250年の記念年です。交響曲第9番など大きな遺産を残してくれたベートーヴェンに感謝の気持ちをこめて、たくさんのコンサートが予定されていましたが、残念ながらほとんどが中止(または延期)になってしまいました。
一般にベートーヴェンは悲劇的にとらえられがちですが、実際は違っていたようです。聴覚を失うという、作曲家にとっては致命的なことを経験しつつも作曲に取り組みつづけました。作品によっては、先進的なあまり当時の人々に受け入れられなかったものもありますが、それでもウィーンの英雄的な存在として尊敬されていました。それは、ベートーヴェンの葬儀に2万人ものウィーン市民が参列(これは今なおウィーン史上最大の記録です)したことでも明らかです。
また、友人や支援者にも恵まれていましたし、恋愛経験も豊富でした(ただし、生涯独身でしたが)。
当時の人々に愛され、そして今も世界中の人々に愛されつづけているベートーヴェンを私はステイホーム(CD)で偲んでいます。