最新情報・ブログ

芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.189

当館が発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純のショートコラムをご紹介します。

 

****************************************************************************************

 

石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.189

 

 草花を観ていると、不思議なできごとに出会います。愛情を込めて丁寧に育てられた草花は、まるで「ありがとう」と言っているような美しい花を咲かせます。それを見ている人間たちも、「いいえ、こちらこそ。きれいに咲いてくれてありがとう」と応じます。つまり、草花と会話をしているのです。

 登山の最中、登り坂が続いて苦しくなった頃に高山植物と出会います。高山植物は、急斜面で土地が痩せていて、冬は猛烈に寒く、長いこと雪に覆われてしまうところに可憐な花を咲かせています。そんなとき、「こんな厳しいところで、私たちもこうして一所懸命に咲いているのだから、あなたたちも頂上まであともう少し頑張って」と励まされているような気がするものです。

 もちろん、草花と人が言葉でやりとりをするなんてできません。そもそも草花には知能も感情もありません。だから、草花が「感謝」をすることも、疲れ切った登山者を「励ます」などということもありえないのです。それでも、私たち人間は草花(あるいは自然)との交感を通じて、慰められ、励まされ、癒されたりするのですから、不思議なものです。

 いつだったか、ある植物学者が「植物に感情はないが、人間に特別な感情を抱かせる特別な存在である」とおっしゃっていました。まったくそのとおりだと思います。

 石神の丘美術館〈花とアートの森〉は今まさに百花繚乱の季節です。散策路でしばし歩みを止めて、もの言わぬ草花との「心のやりとり」を楽しんでみてください。

過去の記事

開館時間・休館日

◆開館時間
9時~17時
(入館は16時30分まで)
◆休館日
・毎週月曜日(月曜日が祝日の場合その翌日/臨時開館の場合有り)
・年末年始(12/29~1/3)

→観覧料・アクセス
→お問い合わせフォーム