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芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.184

当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。

 

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.184

 

 今年もたくさんの美術展に足を運びました。ちょっと振り返ってみましょう。

 浮世絵の版元として一世を風靡した蔦屋重三郎を主人公にしたNHK大河ドラマが放送されているおかげか、『五大浮世絵師展』(5/27~7/6 上野の森美術館)と『HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』(9/13~11/30  CREATIVE MUSEUM TOKYO)という見応えのある浮世絵展がありました。江戸時代の人々は漫画を買うような感覚で、蕎麦一杯とほぼ同じ値段だった浮世絵を日常的な娯楽の一部として享受していました。そんな浮世絵を「美術品」として評価したのは欧米人でした。

 実は私も印象派を勉強していく中で「浮世絵が印象派に大きな影響を与えた」という事実を知り、そこから浮世絵を観るようになり、広重や北斎にのめりこんでいきました。ですから、私の見方は言うならば西洋からの逆輸入です。

 今年は茶道具もずいぶん観て歩きました。一口に茶道具といっても400年もの歴史がありますから、時代とともに流行や変遷を重ねて多種多様です。それでも「日本文化の精髄」という点で一貫しています。展覧会場で渋い黒楽茶碗や竹の花入れが私の歩みを長く止めたとき、自分の血の中に「こういうものをいいと思う感性が眠っていたのか」というかすかな驚きと、ときめきを覚えます。

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