当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純のショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.131
岩手町は東京オリンピックにおけるアイルランドのホストタウンです。大会前に、アイルランド女子ホッケー代表チームが町で事前キャンプを実施する予定です。この機会に当館では『アイルランド展』を3月6日から4月11日まで開催します。
アイルランドといえば、オスカー・ワイルド、イェイツ、スウィフト(『ガリバー旅行記』の作者)、ジョージ・オーウェル、バーナード・ショーなどたくさんの文学者を輩出しています。イギリス出身と私が思っていた作家のほとんどが実はアイルランド人です。人口の割に作家が多いという点で岩手とよく似ています。音楽ではエンヤが有名ですが、ロックファンの私はU2、故ロリー・ギャラガー、故ゲイリー・ムーアを思い起こしますし、ビートルズ・ファンはポール・マッカートニー、ジョン・レノン、リンゴ・スターがアイルランド系であることをご存じでしょう。
アイルランドは伝説と現実が入り交じっているため、古い歴史を調べるのが難しいそうです。実在しない人物(英雄や神)が堂々と登場してくるからです。それに、妖精がそこらを今もうろついているといいます。岩手に残る蝦夷の歴史や「遠野物語」に通じるものがあるのではないでしょうか。
そんなわけで、私はアイルランドにとても親近感を持っています。