美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.108」
暑い暑い夏が終わりました。
今年の夏は本当に暑くて、暑さに弱い私は常に健康状態に不安を覚えて過ごしました。
私は冬よりも夏に風邪をひいたり、高熱を出したりすることが多いのです。
なにしろ7月から急に猛暑となり、8月中旬まで連日、30度を超える日が続きました。
夜になると気温が下がり、就寝時にはエアコンを入れずにすんだのがせめてもの救いでした。
気象情報が伝える最高気温は日影の風通しのいい場所での計測ですから、実際にはさらに2度以上高いところで私たちは活動をしていることになります。
熱中症で体調を崩された方、亡くなられた方が今年は記録的に多かったそうです。
オートバイで走っていても、気温が体温に近いと熱風を浴びるばかりで、少しも涼しさを感じません。
そのためオートバイに乗るのが躊躇われ、今夏はまったく走行距離が伸びませんでした。
ロードバイク(自転車)も同様です。
スマホに、ほぼ毎日のように「運動はひかえましょう」という熱中症予防情報がメールで届きましたから、それを守ったわけです。
「せっかくの休日だから」などと無理をすると、取り返しのつかないことになりかねません。
そんな暑い暑いさなか、ある除雪機メーカーに勤めている友人は、注文を取る営業で大忙しでした。
驚いたことに、除雪機は夏場の商戦で勝負が決まるのだそうです。
メーカーは夏の真っ最中に除雪機を売りまくるわけです。
実はスキー用具も夏場が販売の勝負どころなのです。
懇意にしているスポーツ店に行ったところ、たまたまスキー板とスキー靴の最新モデルが展示されていました。
夏に早期注文をすると、最新モデルを割安で入手できるというフェアを開催していたのです。
担当の方のレクチャーを受けているうちに、まんまと最新モデルを注文する羽目になっていました。
それはともかく、一夏の間、エアコンの効いた場所で過ごすように心がけましたが、遠出をできないためフラストレーションが溜まる一方です。
そんなとき、『藤原かんいち写真展 夢とバイクは海を越え、国境を超える』は、その素晴らしい写真で私を知らない国へと運んでくれます。