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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.82

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.82」

去年の今ごろ、私はベースの田村曙光さん、ギターの吉田亘さん、ドラムスの澤井泰董さんの3人に声をかけて新しいバンドを組みました。

私にとってはそれぞれ旧知の友でしたが、4人が顔を合わせるのは初めてのことでした。

ついでに言えば、私がバンマス(リーダー)をつとめるのは初めてですし、演奏するエレキインストと昭和歌謡も初めて挑戦するジャンルです(これは他の3人も同じです)。

バンド名はザ・ジャドウズといいます。

名付け親はドラムスの澤井さんですが、由来を明かしてくれません。

「蛇(じゃ)の道は蛇」から取ったのではないかと私は想像していますが。

 

私は今年、数えで60歳になりました。還暦です。

これを機に何か新しいことに挑戦しようと思ったのが、このバンドを組むきっかけでした。

正直なところ、60歳の自分の姿をイメージすることができないまま、還暦を迎えてしまったのです。

馬齢を重ねるとはまさに私のことだな、と落胆していても埒があかないのでバンド活動で気を紛らしているのが真相です。

 

ザ・ジャドウズは昨秋の「第249回もりげきライヴ」(盛岡劇場タウンホールで1995年から20年以上も続いているコンサート)でデビューし、大成功をおさめました。

その勢いで「中津川べりフォークジャンボリー」(2000年から続いている大イベント)にも出演しています。

今年も5月に盛岡市内のライブスポットでライブを行い、客席を満員にしました。

 

そのザ・ジャドウズが723日(土)の「道の駅石神の丘開業祭」に出演します。

ザ・ベンチャーズでお馴染みの「十番街の殺人」、「パイプライン」などに加えてマニア好みの「エマの面影」(ザ・サウンズ)、「ジャニー・ギター」(ザ・スプートニクス)などの懐かしいエレキインストをお楽しみください。

さらに、石倉かよこさん(福岡市在住)をゲストに「まっ赤な太陽」(美空ひばり&ザ・ブルーコメッツ)など昭和リズム歌謡もお届けする予定です。

ザ・ジャドウズの出番は午前1130分、午後1245分、午後2時の3回です(それぞれ30分間のステージ)。

 

奇しくも私たち5人は昭和30年代生まれです。

日本が最も活気に満ち溢れ、明るい未来を信じていた時代と言っていいでしょう。

昭和歌謡もエレキインストもそんな時代を象徴する音楽です。

それは懐かしさとともに新鮮な響きを感じさせます。

 

それにしても、あのころに憧れた加山雄三が77歳の今なお現役バリバリで活躍なさっているのを見ると、落胆などしている暇はないとカツを入れられたような気持ちになります。

 

還暦といえば赤いチャンチャンコですが、私は記念に赤いギターを手に入れました。

723日はその新しいギターもお披露目したいと思っています。

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