美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。
なお、過去のエッセイをご覧になりたい場合は、
「美術館通信」コーナーよりpdf形式でご覧ください。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.46
山や田畑を覆っていた雪が日に日に消えていくのを見て、
明けない夜がないのと同じように冬も必ず終わりを迎えるのだと、
あたりまえのことを再確認しました。
今年の冬は寒さも雪の量も半端ではなかったので、
春の訪れがいつにも増してありがたく感じられます。
4月から新年度になりました。
この「年度」というユニークな制度のおかげで、
私たちはお正月と合わせて1年に2度も新たな気持ちに切り換えることができます。
岩手町立石神の丘美術館も新年度を迎えました。
これからの10年先、20年先を見据えつつ
魅力的な美術館作りに励んでいこうと決意を新たにしています。
今年度も充実した企画展を予定しています。
今まで美術館に足を運んだことがない方にもお越しいただけるように
私たちは常に考え、努力しています。
みなさんご自身の目でそれを確かめていただければ嬉しいです。
そして、ぜひお子さん連れでお越しください。
大人にわからないものが子どもにわかるわけがない(大人が楽しめないものは
子どもにもわからない)と思いがちですが、これは間違いです。
子どもたちは大人とはまったく異なった目を持っています。
その目は感性ともいいます。
子どもの感性を育てるのは親としての当然のつとめですから、
美術館へ連れて行くことは親の義務といっても過言ではありません。
また、学校の先生方にも同様のお願いをしたいと思います。
美術館に行くことは美術の授業にとどまらず、
切り口によって社会の勉強にも、理科の勉強にも、国語の勉強にもなります。
まず学校の先生方にこのことを理解してほしいと願っています。
石神の丘美術館ではご要望のある学校にこちらから出向いていって、
解説や講座などを行なう計画も立てています。
詳細は改めて紹介させていただきますので、どうぞお役立てください。