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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.59

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

なお、過去のエッセイをご覧になりたい場合は、
「美術館通信」コーナーよりpdf形式でご覧ください。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.59」

アメリカへ17年ぶりに行ってきました。
甥がカーネギー・メロン大学をめでたく卒業することになり、その卒業式に列席してきたのです。

史上2番目の富豪といわれる鉄鋼王アンドリュー・カーネギーと大銀行家アンドリュー・メロンの名を冠したカーネギー・メロン大学は、日本ではあまり知られていませんが、教授陣や卒業生から13名ものノーベル賞受賞者を輩出している名門私立大学で、かつて鉄鋼で栄えたピッツバーグにあります。
屋外(アメリカン・フットボールのフィールドと陸上競技のトラックを持つグランドが会場)での卒業式はなかなか盛大なものでした。
ちなみに、甥は3歳のときからハワイで育ち、アメリカの永住権も持っているので「留学」ではありません。

卒業式の間隙をぬって、カーネギー美術館でアメリカ美術と印象派のコレクションを観ることができました。
カーネギー・メロン大学は工科系大学なのに芸術学部もあり、エミー賞受賞者やアカデミー賞受賞者を輩出しています。
アンディ・ウォーホルもここの卒業生です。

4日間という短い滞在でしたが、フィラデルフィアを再訪し、フィラデルフィア美術館とペンシルベニア美術アカデミー美術館を観てきました。
どちらも日本ではほとんど観ることのできないアメリカ19世紀美術の宝庫です。
また、フィラデルフィア美術館の印象派コレクションも本国フランスを凌ぐものがあります。
印象派はフランスで受け入れられる前にアメリカで人気が高まったため、多くの傑作が海を渡って流出したのです。

アメリカ美術については芸術監督講座「絵画は何を描いてきたか」で、いつか紹介したいと思っています。

久々のアメリカで感じたのは、物価が高いことでした。
日本の1.5倍から2倍という印象です。
また、アメリカへの入国審査や空港でのセキュリティチェックはとても厳しく(全員、靴も脱がされます)、テロの脅威にさらされている国なのだと痛感させられました。

街角で地図をひろげて立っていると、「道に迷いましたか?」とか「どこへ行きたいの?」と気軽に声をかけてくるフレンドリーさは以前と同じでした。アメリカ人が持つ美点のひとつだと思います。

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