当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.174
明けましておめでとうございます。
私は年末からスキー三昧で過ごしました。スキー場は、森を拓き、山を削って造った人工的な自然です。地球の側からすれば迷惑な話ですが、私たち人間はそこで大いなる楽しみを得ていますし、健康のためにも役立てていますし、白銀の世界を「美しい」と思って眺めるのです。
北国に暮らす私たちにとって雪は日常的なもので、道路にどっさりと積もったりした日にはウンザリしますが、実は雪は北国にとって冬の貴重な地域資源でもあるのです。青森県の津軽地方で「地吹雪ツアー」が人気を集めているように、雪という地域資源の有効な活用方法を私たちはもっと真剣に考えていかなければならないでしょう。
美術に目を転じると、雪景色は昔から洋の東西を問わず盛んに描かれてきました。雪景色の絵を集めて、『冬の美術館』と題した企画展を開きたいと思い続けて、もう何年も過ぎてしまいました。雪という地域資源の活用と並行して、この企画展も実現を目指したいものです。
それでは、本年もよろしくお願いいたします。