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芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.173

当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。

 

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.173

 

 早いもので今年もアッという間に師走になりました。かつてはこの時期になると気分がふさぎがちになり、「早く春にならないかな」とコタツに首まで入っては溜息ばかりついていたものです。けれども、還暦直前にスキーを始めてからは「冬大好き人間」に変貌し、今では1シーズンに20回以上もゲレンデに通うようになりました。我ながら、驚くばかりです。

 変貌といえば、今年は私にとって「変化の年」だったように思います。ひとつはオートバイを乗り換えたこと。31歳で自動二輪の免許を取得して以来、ツーリング向きで外観もおとなしい車種ばかり乗り継いできたのですが、初めてスーパースポーツと呼ばれるジャンルの車種にしました。しかも、赤と白の目立つカラーリング! これにはオートバイ仲間たちから「いい歳をして、血迷ったか!」と驚かれたり「どうせすぐに飽きるだろう」と呆れられたり。ところが、とうの本人は嬉々として乗り回しているしだいです。

 もうひとつは「茶の湯」にすっかりハマってしまったことです。武者小路千家の岩手支部長(岩手官休会長)をしぶしぶ引き受けて2年あまり。この間に50席ほどでお茶をいただきました。当初は義務感で仕方なく参加していましたが、いつしか「次のお茶会はいつだっけ?」と心待ちするようになり、さらにはまったく興味がなかった茶道具の展覧会にも行くようになったのですから、我がことながら、ちょっと信じられません。

 これまで「私には縁のないもの」と決めてかかっていたスーパースポーツタイプのオートバイとお茶の世界。67歳にもなってそれらに目覚めたわけで、人間、変われば変わるものです。というわけで、今年はいい年でした。

 それでは、みなさま、よいお年をお迎えください。

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