当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.156
〈花とアートの森〉では雪解けとともにフクジュソウが咲き、続いてユキゲユリ(雪解百合と書きます)が咲きました。いずれも例年より2週間は早い開花でしたから、ゴールデンウィーク以降はいつもより賑やかなガーデンをお楽しみいただけそうです。かわいい花々に目を奪われて、つい視線が下を向いたままになりがちですが、顔を上げてアート(彫刻・立体美術)もご覧ください。
4月のある晴れた日、〈風の広場〉に立って西野康造さんの《 Swing in the Air 2020 》に目を向けると、チタン合金の翼が爽やかな風を受けて、ダンスを躍るように羽ばたいていました。その向こうに沼宮内高校が見え、さらに遠くには安比高原スキー場のゲレンデが青空の下でまだ白く輝いていました。今年は雪解けが早いので、ゴールデンウィーク頃にはゲレンデの雪も消えてしまっているでしょうか。
〈花とアート森〉には虫や鳥もたくさん集まってきて(人のいない時間帯にはカモシカが親子で散歩をしています)、その日はコゲラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、ノスリなどの鳴き声が聴こえてきました。その鳥たちには〈花とアートの森〉を歩いている私たちの姿が多様なアートに見えているのかもしれません。