当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.144
ロシアのプーチン大統領が、ウクライナに侵攻しました。今の時代にこんな前近代的な蛮行が行われたことに驚くとともに、落胆と憤りを覚えずにいられません。
ロシア(というよりもプーチン大統領)を非難する国々が一斉にさまざまな制裁処置をとっています。そんな中、ロシア出身で世界的な指揮者であるヴァレリー・ゲルギエフがミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を解雇されるというニュースも飛び込んできました。恐れていたことが起きました。今のところゲルギエフからの声明がないのですが、ゲルギエフは平和主義者ですし、慈善家としても知られているので、この決定に私は賛同しかねます(一説によると、ゲルギエフはプーチンと個人的に親しいことが問題となったようです)。
日本ほどロシア音楽を愛している国も珍しいと思います。チャイコフスキーなどのクラシックはもちろんのこと、寂寥感と哀愁に満ちたロシア民謡も日本では昔から親しまれてきました。先日、NHK-FMのクラシック音楽の番組でショスタコーヴィチとハチャトゥリアンの作品が流れてきて、「こんなときでも…」と何だか胸が苦しくなりました。
ウクライナの国花はヒマワリなのだそうです。私は何にもできませんが、ヒマワリを心に掲げて、ウクライナの人々との連帯の印にしたいと思っています。