当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純の
ショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.142
いつもの冬なら週に2日はスキーに出かけているのですが、今シーズンは右肩の手術後のリハビリのため、スキーはできません。自宅にこもりがちになったせいか、気がつくと2キロ近く体重が増えていました。「これではいかん」と、なるべく散歩をするように心がけています。
石神の丘美術館〈花とアートの森〉もすっかり雪に覆われていますが、スタッフが頑張って除雪に励んでいるおかげで素敵な「冬の散歩道」になっています。万全の防寒対策をして散策しました。
雪の上にキツネ、タヌキかアナグマ、それにカモシカの足跡がありました。幸いクマの足跡はありませんでしたが、とっくに冬眠しているのかもしれません。下ばかり見て歩いていると、頭上で「ヒィーッ、ヒィーッ」という鳴き声がしました。ジョウビタキでしょうか。冬でも青々とした針葉樹のどこかで鳴いていますが、姿は見えません。
三沢厚彦さんのアニマルズシリーズが半ば雪に埋もれながらも存在感を放っています。西野康造さんの作品も冬の風に羽ばたいています。寒々とした冬景色の中で、生き物の気配を感じながら見るこれらの作品もいいものです。