当館が毎月発行している小さな情報紙「石神の丘美術館通信 イシビ」にて連載中の、芸術監督・斎藤純のショートコラムをご紹介します。
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石神の丘美術館芸術監督・斎藤 純のショートコラム vol.130
長期予報では「雪が多い」でしたが、12月中は例年に比べて雪が少なく、スキー場はどこも悲鳴を上げていました。ところが、年が明けると長期予報通り雪になりました。
小高い丘の上から、雪をかぶった街並みを眺めると、『東日本大震災復興祈念 唐招提寺御影堂障壁画展』(岩手県立美術館)が好評を博した東山魁夷の名作「京洛四季」シリーズの《年暮る》を思いだします。雪景色は洋の東西を問わず、昔からよく描かれてきました。たとえば、ルネサンスの巨匠ブリューゲルの《雪中の狩人》は私の大好きな作品です。
雪景色はきれいですが、雪も度を過ぎると停電や交通麻痺などを引き起こします。降るとなるとドッと降る。これは雪に限らず、雨にも言えますが、近年の異常気象の特徴です。これを気候変動といい、地球温暖化と関係があります。
温暖化とは単に気温が上がるだけでなく、「記録的な低温」や「記録的な豪雪」などの異常気象の原因でもあるのです。