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芸術監督のショートエッセイ 石神の丘から vol.51

美術館で毎月発行している小さな情報誌
「石神の丘美術館通信ishibi《いしび》」にて連載中の、
芸術監督・斎藤純のショートエッセイをご紹介します。

なお、過去のエッセイをご覧になりたい場合は、
「美術館通信」コーナーよりpdf形式でご覧ください。

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石神の丘美術館芸術監督・斎藤純のショートエッセイ
「石神の丘から vol.51」


台風18号で被災したみなさまにお見舞い申し上げます。
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月の県央大雨災害の復旧もままならないところに追い打ちをかけるような台風でした。

「このごろの天気はおかしい」と、数年前からよく耳にします。
数十年あるいは数百年に一度あるかないかの猛暑、大雪、激寒、大雨などを私たちはここ数年のうちに経験しました。

これを「気候変動」といいます。
これは地球が
1000年とか10000
年単位で年間平均気温が上下動する「気候変化」という自然現象と区別しています。

つまり、気候変動は私たちの生活によって引き起こされている現象なのです。
日本では「地球温暖化」と呼ばれている現象が、気候変動の原因です。

地球温暖化というと「こんなに寒くて、大雪なのに、温暖化はおかしい」という誤解を生むので、欧米では地球温暖化とはいわず、気候変動のほうが一般的です。
日本でも早く気候変動という用語を一般化するほうがいいと思います。

1980年代のアメリカでは竜巻、旱魃、大雨などによる農業被害が急激に増え、保険会社が経営の危機を迎えます(アメリカでは自然災害による農畜産被害の保険制度が発達していました)。
そこで、「なぜ自然災害が急に増えたのか」と、あらゆる研究機関が原因究明に乗り出しました。
その過程で、地球の平均気温が急激に上昇していることが明らかになりました。
これが気候変動(異常気象)の原因だったのです。

1000年とか10000年という長い時間経過による気候変化なら地球はついていくことができます。
が、
100
年という短い期間での変化に地球はついていくことができません。
氷河の消失、海面上昇、動植物の生息域の変化と生態系の破壊などが連鎖的に起きています。

さて、次の問題は「平均気温が上昇している原因」でした。
これはやがて、大気中の二酸化炭素の量が
19
世紀以降になって急増していることが判明するとともに、地球温暖化の原因と考えられるようになりました。

大気中に二酸化炭素が増えはじめたのは、私たちの生活のあり方と密接に関係しています。
石炭や石油の消費量と大気中の二酸化炭素の量はみごとに一致しているのです。

私たちはこれまで気候変動(地球温暖化)をどこか遠い国の話と思いがちでした。
でも、岩手県にも甚大な被害をもたらした大雨や暴風(竜巻)も、間接的に私たちの暮らしが引き起こした現象だとしたらどうでしょう?
もう遠い国のできごととは言っていられませんよね。

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